世の中には、どうにもならない事がある。
それが何かは、今んとこわかんないけど、
その「どうにもならない事」の目の前に立った時、
わかる。
唯、俺がそいつを目の前にした所で、
「これは、どうにもならないや。」
って思って、諦めるかといえば、そうでもない。
諦めたらどんなに楽だろう。
諦めたら、後悔するだろう。

葛藤。

でも俺は、簡単に諦めたくない。
そう思っていた。
でも、諦めず、諦めず、向かって、走って、走って。
それでもダメな時、その時は、足を止めよう。
諦めるんじゃない。
諦めるんじゃ無いんだ。
自分で納得して、そう決めたなら、それも良い。

いつかは、人生の幕を閉じる日が来る。
あの偉大な発明家も、
あの偉大な侍も、
あの偉大な人達も、
みんな、幕を閉じた。

あの偉大なボーカリストも、
あの偉大なベーシストも、
あの偉大なコメディアンも、
あの偉大な監督も、
あの偉大な人達も、
いつか、幕を閉じる。

そして、輪廻転生。
次の生き様を見ろ。
そして、泣く。

俺にとって、「生きる」という事は、
大事な事であり、また、一方ではつまらない事である。
俺は、この世に生を受けた。
故に、俺は、あなたに逢う事ができた。
故に、俺は、ベースを弾き、歌を歌い、
自分を、他人を、喜ばせる事に生き甲斐を感じた。
同時に、俺は、この世に生を受けた瞬間から、
戦う事を強制された。
戦い、争い、蹴落とし合い、傷付け合い、
そして、形成された。
俺の身体、俺の魂、俺の全て。
俺は、全てにおいて、他人に勝っている。
同時に、俺は、全てにおいて、他人に負けている。
一番は無い。
俺の尊敬する人の一人が、そう言っていた。
他人は俺にはなれないし、俺は、他人にはなれない。

生きるという事は、最高の至福であり、最低の侮辱であり、
感動であり、残忍であり、輝いていて、闇である。

別に、死ぬ事に抵抗は無い。

唯、俺の魂が、遊びに行くだけだ。
帰っては来ない。
別の所で、また、居心地の良い場所を見つけ、
そこに住み付き、
そして、また離れる。
それの繰り返し。
輪廻転生。

唯、まだ遊びに行くわけには行かない。
俺は、まだ、やり残した事がある。

いつか、精一杯生きて、「この人以外いない」と思える人を愛し、
全てに満足した時、俺は、喜んで死のう。
頚動脈を引き千切ろう。
そして、「ありがとう」を言おう。
そして、静かに、唯、他には何も言わず、
唯、何も告げず、ゆっくりと離れよう。
森の中にいる時のように。
星を見て、涙を流した夜のように。
海底のように・・・。

沈黙を纏って、逝きたい。

俺は、俺であり、俺は、生きている。
そして、俺は死ぬ。
明日?明後日?
10年後?
20年後?
3世紀またいで、死ぬかも。

俺は、雪を見る。
俺は、雨に打たれ、生きている。

平成十三年十二月五日
以心伝心  soul: