アフターワード


今、『空気感』を書き終えて煙草を吸っている。
小説を書き終えてからの一服というのは、此れで二度目の経験だが良い物だ。
『空気感』を書き始めたのは、『音楽』の小説を書きたかったからではない。
ただ、『男』と『女』の語りを順序良く交代に書いてみたかったからだ。
そして其の法則に読み手が慣れた頃に、同じ話の中に二人の語りを入れたかった。
そうする事のメリットもあれば、デメリットも勿論あった。
でも、『空気感』はとても良い経験になった。
とっくに気付いている人も多いと思うが、
緑系の文字色の時は『アヤ』の語りで、赤系の文字色の時は『アキ』の語りと決めた。

途中途中で時間軸が急に飛んだりして、困惑した人も多いだろう。
主軸となる時間の流れがあって、たまに未来を匂わす部分が出て来る。
後で辻褄を合わせるのが大変だった…。
まぁ、其れでも楽しく書けたと思う。
更新頻度にもかなりのムラがあり、一晩で三話連続更新、何て時もあれば、
次の話に進む迄一ヶ月以上空いた時もあった。
読んでくれた人達はよく着いて来てくれたと思う。
感謝、です。

『松本』、『空気感』が終わり、『以心伝心』の主力である長編連載は無くなった。
一段落したらまた長編を書こうと思っているが、今はまだ其の予定は無い。
暫くは短い物を書いて行こうと思っているので、『TPS(短篇収)』の方が盛んになって行くと思う。
一旦休憩はするけど、連載が無くなったからと言って
『殴書』自体がストップしてしまう事は無いと思うので、安心してほしい。

『松本』もそうだったが、『空気感』に関しても例外で無くラフプランだった。
当然ラストをどうするかなんて決まっていないし、寧ろ『空気感』の方が終わり方が難しかった。
『松本』は朧げながらも『問題』と『解決』と言うプロセスが立っていたが、
『空気感』の場合は『こうなれば終わり』と言う物が無かった。
最終話の冒頭の『アキが亡くなってから〜』と言う言葉には驚いた人も多いだろう。
でも、アキはかなり前からこうなる事を予定していた。
『こいつは殺そう。』と思ってました。
だから父親も早くに殺したし。
元々『時雨』なんてのは特に重要な役目を持っていなかった。
『父親の死』をカムフラージュする為だけに出て来た、言わば副産物だったんだ。

『地域、土地』の名前を出すのはあまり好きじゃなかったが、そうも言っていられなくなったので
中盤辺りから出し始めた。
『日輪町』(ひのわちょう)や、『緑区』(みどりく)、『香桃町』(こうとうちょう)等だ。
其々俺のイメージする土地や都市(実際にある物)があるが、
詳しい街の構図を描写するのが面倒だったし、特に其の都市の名前に魅力も感じなかったので、
敢えて街の名前も作った。

『音楽』よりも『恋愛』の方がメインストーリーになっている。
精神的にドロドロした恋愛を書きたかったから。


また、ゆっくり進む中で長編を書こうと思ってる。
其れ迄あんた等もゆっくりしてくれよ。
短篇収で気に入ったのがあれば其れを長編として書く事も考えてるし。

じゃあ、次は短編で逢おうぜ。
おつ様!!!

俺を、『空気感』を、ずっと支えてくれた人達、
『空気感』を楽しんでくれて、一話一話に一喜一憂してくれた人達。
ほんとにありがとう。


愛してるぜ。


平成十七年十一月二十六日、午後十一時十四分
以心伝心クリエイター
竹下泰敬

Produced by:以心伝心
Written,Designed and Logo by:竹下泰敬(ystk)
Manager:takumi

Thanxx→輝彦(America)、兄さん・正章(KIDS)、まり・ばん・ユア・ふくま(常連)、ごっつ(影の常連)、松浦・怜子・充・ひでき・田平・姉さん(同級)、のりを・晃一・ひで(Full Course)、なる・りーさん・JINさん・響子さん(hinomalize)、s2aw(安心)、さやか、千明、☆、宗一郎・イサカ・M.m(殴書BBS重鎮)、まいこ・しょーりん・良子さん・斉藤・ゆっきー・本多麻里子(関西友達)、たがやん(以心伝心BBSマスター)、MEW(以心伝心mixi支部長)、ゴンちゃん(B-DASH)、片倉さん、ちほ、ぐっさん、vivitica、ゆっこ、笑美、古西、たま(最高の後輩)、あゆみ(全同)…そして、いつもお世話になってる皆、ファンの人達、大切な莫迦共…愛してるぜ。